東大を独学で現役合格し、さらに東大大学院を受験で合格。学生時代から取得した資格の数は600を超える。これまで20年以上、試験をずっと受け続けている著者だからわかる、点数をとるワザを紹介していきます。小手先のテクニックではなく、長く勉強し続けていくために必要な戦略が詰め込まれている『東大→東大大学院→600個超保有の資格王が教える点数稼ぎの勉強法』から、一部抜粋して紹介していきます。東大に受かる人や本当に頭のいい人の学ぶ姿勢は、必読です。
解けない問題をなくすには
得点力を高めるということは、裏を返すと、解けない問題をなくすということです。
では、そもそも「問題が解けない」のはなぜなのかについて考えてみましょう。
「問題が解けない理由」は、極論すると、次の3つしかありません。
[1]知識がない
[2]知識はあるが最終的な解答を導き出せない
[3]ケアレスミスをしてしまう
「[1]知識がない」は、その問題を解く前提となる基本的な知識がないということです。
これを解決するのは簡単です。知らなかったことを知ればいいだけです。
逆に言うと、いくら頭がいい人でも、知らないことは答えようがありません。
たとえば、いきなり「アルプス山脈で2番目に高い山は?」「インドネシアの南スラウェシ州の州都は?」などと聞かれても、まず答えられないでしょう。けれども、一度知ってさえしまえば簡単に答えられます。ちなみに、先ほどの問題の正解は「モンテローザ」と「マカッサル」です。
何か新しいことを勉強するとき、最初はこのような知らないことばかりで、「こんなの自分には無理だ」と思えてしまうかもしれません。しかし実際に勉強してみると、「ただ知らない用語が多かっただけで、特に難しいというわけではなかった」となることも多いのです。初見の印象に惑わされず、冷静に取り組みましょう。
「[2]知識はあるが最終的な解答を導き出せない」は、基本的な知識はあるものの、それらを適切に組み合わせたり、応用力を発揮したりして、最終的な解答を出すことができないというものです。
これも解決は実は簡単で、とにかくさまざまな問題を解いて「解き方のパターン」を覚えてしまえば解けます。
頭がいい人は問題の解き方をその場で自分で考えているわけではなくて、過去に解いた問題の解き方パターンをそのまま当てはめて解いていることが多いのです。
「[3]ケアレスミスをしてしまう」は、問題を解く実力はじゅうぶんにあるはずなのに、不注意・ケアレスミスで間違えてしまうというものです。
たとえば、「問題の意図を勘違いして、求められている解答とまったく違う内容を答えてしまった」「計算問題の途中でミスをして、最終的な数字が違ってしまった」といったケースです。
このケアレスミスですが、軽視しがちです。「本当は解ける実力があった。次は同じミスはしないだろう」と、運や注意がたまたま足りなかったせいで間違えたのだと、変に自分を納得させてしまうのです。
しかしながら、ケアレスミスをなくすことこそが、得点力を高めるためのとても有効な一手です。ある意味、他のふたつよりも重要です。
なぜなら、知識や解き方をたくさん覚えるよりも、ミスを減らすほうが簡単ですし、気を付けるべき点が明確だからです。
テストで90点止まりの人と、コンスタントに100点をとれる人との差は、ケアレスミスがあるかないかです。90点止まりの人は、90点相当の実力しかないわけではなく、本当は100点がとれる実力があるのに、ケアレスミスで10点マイナスになってしまっている可能性が高いのです。
そして、ケアレスミスは、実際に問題をたくさん解くことによって対策の精度を高めることができます。「自分のケアレスミスのパターン」を把握することができるのです。
鈴木秀明(すずき・ひであき)
資格・勉強コンサルタント。1981年8月4日富山県生まれ。独学で東京大学理科一類に現役合格。東京大学理学部卒業。東京大学公共政策大学院修了。24歳でAll About「資格」ガイドに就任。行政書士、中小企業診断士、気象予報士、証券アナリスト、宅地建物取引士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士をはじめとした600を超える資格をすべて独学で取得。年間50以上のペースで資格を取り続けている。資格ポータルサイト「資格・検定ラボ」を主宰するほか、ビジネス誌の資格特集の監修、テレビ、ラジオ出演など、メディア出演実績はのべ250回以上。資格試験の実施機関へのコンサルティングやプロモーション支援、問題作成支援などの活動も行う勉強法のスペシャリストとして多方面で活躍中。
■著者からのメッセージ
私は、地方の公立校から独学で東大に現役合格し、資格の専門家として600以上の資格試験にすべて独学で合格してきました。
初対面の人に自己紹介をすると、「たくさん資格をもっていてすごい」というよりは、「社会人になっても、そんなに勉強を続けられているのがすごい」と驚かれます。
確かに日本人は、一生懸命に勉強するのはせいぜい大学入試までで、大学生や社会人になったとたんに勉強しなくなる人が多いです。日本人は、大人になってからも何らかの学習に取り組んでいる人の割合が先進国で最も低いという調査結果もあります。
3男1女を東大理三に合格させた「佐藤ママ」として知られる佐藤亮子さんの言葉に、「点数がとれるようになると、子どもはやる気になってくれるんですよね」というものがあります。まさにその通りで、点数さえとれればやる気が出て、勉強へ前のめりになって、より結果が出せる人になり、勉強が楽しくなって継続できるのです。
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