◎正馬語録(心の健康管理に役立つ、森田正馬の心に響く言葉)
(3)不安常住:「不安があるのは当たり前」
【解説】 不安があるのは当たり前で、決して不幸なことではない。「失敗するのではないか」「リストラされるのではないか」「子どもがいじめにあっていないか」…際限なく去来する不安。不安とともに生きていく=「恐怖突入」するしかない。
『よくわかる森田療法 心の自然治癒力を高める/不安を受け入れ、あるがままの自分で生きる』(中村敬著、主婦の友社)』より

◎ワンポイント解説
 若き日の森田正馬は、父親が仕送りを忘れたことに腹を立て、「腹いせに死んでやろう」として、神経衰弱のために処方されていた薬をやめ、勉学に没頭しました。すると不思議なことに、あれほど苦しみぬいた神経衰弱が軽快したのです。学業成績も向上しました。病気に対する不安は“あるがまま”に置いて、やるべき行動に打ち込んだ結果です。自分自身の中にもともとあった、生きる力の存在を知りました。程度がはなはだしくなってしまった社交不安症(対人恐怖症)では、「森田療法流対処法」で、不安や症状をやりくりしようとせずに、行動に一歩踏み込むことにより、短期間で改善することもあります。「あるがまま」、「放っておく」、「目前のことに力を注ぐ」ことの効用は、森田療法の原点です。森田にとって「治る」とは、症状をコントロールしようとする「傾向」の解消です。

◎次回予告
 第4回では、自分が、「何かとんでもないことをしてしまうのではないか」という「とんでもないこと恐怖」、「強迫症」から立ち直る「森田療法流・雲の如し発想法」を、中村医師が解説します。