ウォール街
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米国で長短金利差が逆転、「景気後退の前兆なのではないか」との観測が広がって、先週末の米国株は大きく値下がりした。そこで今回は、その理由について考えてみたい。(久留米大学商学部教授 塚崎公義)

長期国債の利回りの基本は
満期までに予想される短期金利の平均+α

 債券に投資しようと考える投資家には、長期国債(ここでは10年国債とする)を購入するか、あるいは短期国債を保有して満期に新たな短期国債を買うかという2つの選択肢がある。今後10年間、短期国債を買い続けた場合に受け取ることができるだろう金利は、今後10年間に予想される短期金利の平均だ。

 それが長期国債の利回り(以下、長期金利と呼ぶ)より高ければ、誰も長期国債を買わないだろうし、低ければ皆が長期国債を買うだろうから、両者が一致する水準に長期金利が決まる。

 これが、長期金利の最も基本的な決まり方だ。現在の日本のように、日銀が必ず買ってくれるだろうと期待して、投資家が長期国債を買っているのはあくまで例外なのだ。

 なお、「通常、イールドカーブが右肩上がりだから、長期金利の方が高くなる力が働いているはずだ」とはいえそうなので、「予想短期金利の平均+α」としておこう。