新たな価値を生み出すフィードバックループ
「データ・ドリブン・エコノミー(データ駆動型経済)」とは、リアルな世界から集めたデータが新たな価値を生み出し、あらゆる企業・産業・社会を変革していく一連の経済活動を指す。
下の図は、それを端的に示したものだ。
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図の最上段に並ぶ製造プロセス、モビリティ(移動手段)、医療・健康、インフラなどのあらゆる領域において、リアルな世界からデータが収集される。そのとき、データを収集しやすいように物的資産をデジタル化するのがIoTだ。
収集したデータは、クラウドなどのデータベースに蓄積されてビッグデータになる。そのビッグデータを分析・解析し、現実世界へフィードバックするためのツールとなるのがAIだ。
企業や自治体などの組織では、こうしてフィードバックされた知見をもとに意思決定を行い、組織にとって最適な活動につなげていく。その結果が再びデータとして収集され、フィードバックされる。このような一連のループをぐるぐると回し、リアルな世界とサイバー空間を結びつけることで、新たな価値を生み出していく。
このように、データが起点となってあらゆる領域で価値を生み出していくのがデータ・ドリブン・エコノミーの特徴である。
ビッグデータやAIにとらわれなくていい
ビッグデータに関しては、やや誤解されている面があるかもしれない。
前述のループを回すために、必ずしもビッグデータが必要なわけではない。ビッグデータが必要な分野もあれば、スモールデータで十分な分野もある。