大阪市は権限が「後退」
「できることが少なくなる」

 一度住民投票で否決され、再度提案しようと躍起になっているのは、あくまでも「大阪市の廃止」と、大阪市であった区域へのいくつかの「特別区の設置」であり、当然のことながら、法律で定めることとされている「大阪都への名称の変更」は含まれない。

 従って、本来は「大阪都構想」ではない。

 そして、新たに設置することを提案したいとしている特別区について、先にも述べたとおり、地方自治法に規定する特別地方公共団体であり、普通地方公共団体である都道府県や市町村とは別扱い、地方公共団体の組合や財産区と同じ範疇(はんちゅう)に属する。

 組合や財産区についての細かい説明は省くが、要は基本的には普通地方公共団体と比べて権限や財源が限られる存在であるということであり、地方自治法第281条の2にも次のとおり規定されている。

第281条の2 都は、特別区の存する区域において、特別区を包括する広域の地方公共団体として、第二条第五項において都道府県が処理するものとされている事務及び特別区に関する連絡調整に関する事務のほか、同条第三項において市町村が処理するものとされている事務のうち、人口が高度に集中する大都市地域における行政の一体性及び統一性の確保の観点から当該区域を通じて都が一体的に処理することが必要であると認められる事務を処理するものとする。
2 特別区は、基礎的な地方公共団体として、前項において特別区の存する区域を通じて都が一体的に処理するものとされているものを除き、一般的に、第二条第三項において市町村が処理するものとされている事務を処理するものとする。
3 都及び特別区は、その事務を処理するに当たつては、相互に競合しないようにしなければならない。

 一方、指定都市、つまり現在の大阪市は、地方自治法第252条の19に基づき、同条第1項各号に列挙した事務のうち「都道府県が法律又はこれに基づく政令の定めるところにより処理することとされているものの全部又は一部で政令で定めるものを、政令で定めるところにより、処理することができる」こととされている。

 要するに、都道府県と同等の立場で地方行政を行うことができるということである。