過去20年間、北米および欧州の主要都市の一部では住宅価格が高騰してきた。ところが東京では横ばいのままだ。なぜ、日本では手の届く物件がなくなる住宅危機が起きないのか? 専門家によると、日本の住宅政策の規制が比較的緩いことが大きな要因だ。それゆえ21世紀に入ってからも需要を満たすだけの住宅供給がなされている。住宅金融支援機構の国際・調査部長、小林正宏氏は、日本の住宅価格がニューヨークのように急上昇しない理由は住宅着工件数の多さにあると指摘する。公式統計によると、日本では過去10年間、一貫して毎年100万戸近い新築の一戸建てやマンションなどが建設されてきた。これに対し、米国は人口が日本の2倍以上だが、2018年に建てられた新築住宅が125万戸にとどまる。