後者の価値観を持つ人が増えている近年は、スタートアップ企業にとってみればいい時代と言える。実際に、スタートアップに入りたいという学生は毎年増えている。そうした人たちにしてみれば、世の中を良くしていこうと独自のカルチャーや独特の考え方で発信している企業の尖ったメッセージは、価値観が似ているゆえに心に響きやすいのかもしれない。

 逆に言えば、「こういうメッセージを発信したら、こう思う人もいるかもしれない」とリスクを考えて、メッセージがどんどん丸くなってしまうような企業に、彼らの関心は向いていかない。

 freeeに新卒で入社するメンバーを見ていても、そう。新卒採用を始めて3、4年だが、「スモールビジネスを応援することで世の中が良くなる」ということに対して、共感して入ってくれる人たちが圧倒的に多い。それに、そういう人たちは会社のカルチャーと水が合うからか、活躍している人が多い。入社して半年もすると、一人前のプレーヤーとして会社をリードしていく人たちがほとんどというのが、正直な印象だ。入社前のインターン時代からトップ営業、という人もいるほどである。

 もっとも、世間一般で言われる「社会人の振る舞い」として、一人前の社会人になり切れているかはわからない。でも個人的には、そこはあまり大事だとは思っていない。時を追えばいつでも解決できる問題でもある。それより、どうやって世の中を塗り替えていくか。そこに対していち早く尖れる方が、僕らとしては大切なのだ。

若手の成長も会社都合で
制約をかけていないか

 とにかく新卒メンバーには、「うちのカルチャーはこう。だからそれに忠実に則って仕事で体現してほしい」と、事あるごとに言っている。あるいは、新卒に限らず「これってfreeeらしいんだっけ?」といった議論を社内ですることもしょっちゅうだ。とにかく日々、freeeのカルチャーや価値観について触れたり意識できたりする環境を心がけている。