家事代行サービス「タスカジ」の中でも、“予約の取れない家政婦”として大人気の「家族の片づけコンサルタント」seaさん。22年に及ぶ家事代行サービス歴で身につけた整理収納術で、家族と住まいの問題に切り込みます。今回は、子どもを片づけ上手に育てるためのポイントをseaさんが解説します。
「片づけなさい!」と
怒るしかしてこなかった大人
「おお……これは気合が入りますね」
レゴブロックなどの小さなものからプラレールやぬいぐるみといった大きなもの、パズルのピースや何かの部品のような正体不明のもの、折り紙や工作など新旧の作品たち…。もう本当に、ありとあらゆるものがリビングの床一面に広がっている――。家事代行のお仕事で伺う先のご家庭では、子どもの物が散乱したお部屋を掃除する機会も多くあります。
「どんなに頑張って片づけても、一瞬でまた散らかされるんですよね…」
お母さまはそう言ってため息をつきます。私がおよそ1時間かけて淡々と片づけられるのは、それが仕事だから、プロだからという理由もあるものの、それ以上に“あっという間に散らかされる光景”を見なくて済んでいるから、というところも大きいと思います。
「第1回妊娠出産子育て基本調査報告書」(2007年Benesse次世代育成研究所調べ)によれば、育児期の妻が子育て中に経験したことのあるストレスの第1位が「おもちゃや散らかっているものを片づけ続けている」で、全体の93%にも上っています。
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こうして悩んでいる親御さんの中には、かつては自分たちも片づけなさいと怒られた経験がある方も少なくないでしょう。ガミガミ言っても効果がないのはわかっているのに、怒ることしかできない大人もなかなかつらい立場です。
片づけられる子どもと片づけられない子どもの差ははずばり、ご家庭での収納コミュニケーションにあります。3つのNG行動から解決のヒントを考えてみましょう。