子ども部屋小学校1年生で個室を与えたいと思う親は多いですが、子ども部屋で勉強できる子どもはほとんといないようです Photo:PIXTA

家事代行サービス「タスカジ」の中でも、“予約の取れない家政婦”として大人気の「家族の片づけコンサルタント」seaさん。22年に及ぶ家事代行サービス歴で身に着けた整理収納術で、家族と住まいの問題に切り込みます。今回のテーマは「個室デビュー」。子どもの小学校入学を機に個室を与えたものの、部屋が散らかっていくばかりの状況にイライラさせられっぱなしの親御さんは多いはず…!そこで、個室デビューのつまずきをなくし、子どもが使いこなせる部屋にするためのアプローチを、seaさんが解説します!

裏切られがちな親の期待
個室にそこまで「効果」を期待してはいけない

「最初はあんなに喜んでいたのに…」

 4月から2年生になったわが息子の部屋を眺めながらAさんは深いため息をつきました。1年前、小学校入学と同時に与えた個室は徐々に荒れていきました。

「ちゃんときれいに使うって約束してくれたんですけどね…。すぐに飽きちゃったみたいで」

 床には、本棚に収まりきらなくなった漫画雑誌や、学校から持ち帰ったプリント類があちこちに積まれている状態です。そして、学習机の上には鉛筆やはさみ、テープなどの文房具、ずいぶん前に拾ってきて置きっぱなしのどんぐり、ブームが過ぎつつあるカードコレクション、作りかけのプラモデルなどが散乱。さらに、その上にはプリントや持ち帰った工作が積み重ねられ山になっています。ここで勉強しているところは少なくとも半年以上、見たことがないといいます。

 なによりAさんが残念がっていたのは、散らかっているのがこの部屋だけではないことでした。ダイニングで宿題をし、遊ぶのはリビングにある兄弟共通のおもちゃスペース。息子さんが過ごす場所が広がった分、片づけでイライラする場所も増えてしまったのです。

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