親子就活最近では、就職活動を一緒に話し合う親子も増えていますが、これは本当に過保護な状態なのでしょうか Photo:PIXTA

近年、増えているのが子どもの就活に親が関わるケースだ。口を出し過ぎるのはマイナスだが、親として上手に子どもの就活を支援するにはどうすればいいのだろうか。現在発売中の『息子娘を入れたい会社 2019』を一部抜粋し、実りある就活にするために親が子どもの就活にどう関わるべきかを考える。(取材・文/古井一匡)

企業の間で広がる
「オヤカク」とは?

「オヤカク」という言葉をご存じだろうか。

 企業が内定を出した学生に対して、親の納得や承諾を確認することを言う。具体的には、親への会社資料の送付、手紙や商品の送付、電話や直接訪問しての挨拶、同意書をもらう、などだ。

 中には、入社式に家族の同席を認めたり、式の後の会社見学、懇親会を行う企業もある。数年前、歌手の藤井フミヤさん(夫妻)がテレビ局に入った子息の入社式に出席して話題になったりもした。

 背景にあるのは、親の反対で内定を辞退するケースが増えるなど、親が子の就職活動に深く関与していることだ。

 そもそも、親がそこまで関わることに対して、「過保護だ」という声は強い。

 しかし、少子化で親子の距離が近くなり、小さい頃から教育熱心な親が増えている。中学受験は、「親の受験」とも言われるくらいだ。そうした延長線上に「オヤカク」もあると考えれば、いちがいに「過保護」と否定する必要もないだろう。

最近の学生は
「ルック・アット・ミー世代」

「オヤカク」には、当今の学生気質も関係している。

 企業の人事担当者の間では最近の学生を「ルック・アット・ミー世代」とも呼ぶらしい。採用活動の一環でグループディスカッションを行った際、終了後に自分の良かった点、悪かった点などのフィードバックを求める学生が多い。その後も、密なコンタクトをとっていないと(企業が)自分には関心がないものと勝手に判断し、もっと関心を持ってくれる企業へ行ってしまうというのだ。

 もちろん、これには企業の規模や業種も関係しているだろうが、学生にそれだけ気を使っている企業が増えているのである。「オヤカク」とは、親を通しての学生へのアプローチであると考えた方がいいのかもしれない。