親世代も自らの
キャリアを考える機会に

 親が子の就活に関わることは、経済的・精神的サポートをはじめ、本人の強みについての気づきを与えることにとどまらない。親にとっても自らのキャリアを考えるチャンスである。

 日本人の平均寿命は、年々延びて、最新の統計では男性が81.09歳、女性が87.26歳となった(2017年)。平均寿命はゼロ歳児が何歳まで生きるかという数値であり、60歳まで生きた人で見ると男性83.72歳、女性88.97歳まで延びる。80歳まで生きるのは当たり前、人生100年時代はすぐそこまでやってきている。

 寿命が延びるのは喜ばしいことだが、健康や生活資金、人間関係などについての不安も増える。そうしたなかで、「働く」ということの意味を見直してみるべきではないか。

 所得を得るという経済的な意味だけでなく、誰かに必要とされ、誰かの役に立ち、そして誰かから感謝される。「働く」ことによって社会と繋がり、社会に受け入れられている実感を得られる。

 欧米では、歴史的・文化的に、働くことは苦役であり、仕事には否定的なイメージがあるとされる。しかし、日本では歴史的・文化的に働くことはむしろ美徳であり、楽しみでもある。

 親子で就活に関わりながら、それぞれが自らのキャリアと人生を語り合い、考えを深める機会にしてみることをぜひお勧めしたい。

(※)『息子娘を入れたい会社 2019』アンケート調査概要
「ダイヤモンド・オンライン」ユーザーへのWEB調査
「お子さまの就職に関するアンケート」
2018年10月実施。有効回答数660人。
[回答者属性]男=93.8%(619人)、女=6.2%(41人)
60代以上=13.9%、50代=67.6%、40代=18.5%