【西條剛央×佐宗邦威】動けなくなる人に共通する「裏の関心」とは?[特別対談(前編)]
直感=「導かれるもの」
論理=「導くもの」
佐宗 『直感と論理をつなぐ思考法』には、「妄想、知覚、組替、表現」というプロセスを回すことで、直感を具体化していく生き方をしよう、という考えがベースにあるんです。この「直感」というものについて、西條さんはどうお考えですか?
西條 直感は自分から出るものではなく、いきなり向こうからやってきて、こちらが導かれていくものだと思っていて、僕はそれを「呼ばれるもの」とか「導かれるもの」という言い方をしています。
逆に、論理は「導くもの」「呼ぶもの」だと思いますね。「みんな、ここに行こうぜ!」と言いたいとき、「自分はこう思う!」だけだとどうしても伝わりにくい。だから、みんなを導くためのロジックが必要になります。
佐宗 なるほど。興味深いですね。僕は直感は、身体的に反応するものだと思っています。複雑なものをすべて分解して説明しようとすると、頭の処理が追いつきません。でも、一見よくわからないものでも、直感とか身体的な感覚で全部わかるときがあります。頭で処理しているもの以上の「全体」を自然に処理できる、という現象です。複雑で繋がってしまった時代だからこそ、むしろ直感の方が西條さんが常々大事だとおっしゃっている「本質」を捉えられることがあるんじゃないかなと。
(後編へ続く)