トリスタン・ハリス氏(34)は2年前、デジタル中毒に関するTEDトークのプレゼンテーションを行い、「シリコンバレーの良心」として一躍注目された。それを機に、巨大IT(情報技術)企業によるプロダクトデザインの進め方が変わり、ソーシャルメディア(SNS)やスマートフォンの「負の側面」への取り組みが本格化することになった。このほど同氏は新たな警鐘を鳴らし始めた。この間の変化が何一つ、十分なレベルに近づいていないというのだ。23日にサンフランシスコで開催されたマルチメディアのプレゼンテーションを皮切りに、ハリス氏は各地を回って考えを訴える予定だ。その中心的主張は、テクノロジーが一般に認識されているよりも、広範囲に社会をむしばむ影響を与えているということだ。シリコンバレーやワシントンで目下進んでいる改革議論のどれもが――ちょっとしたデザインの手直しや、データに対価を払う案、あるいは巨大IT企業の解体案ですら――、この潮流を覆すのに十分でないと同氏は考える。
シリコンバレーの反逆児、「不都合な真実」に警鐘
グーグルの元製品哲学担当者ハリス氏、ITの悪影響に挑む
有料会員限定
あなたにおすすめ