人件費の抑制が背景にあることはいうまでもない。年収1000万円を超える行員の層が薄くなったことも、平均額が下降している要因だ。

 例えば、10年前の2008年3月期(07年度)を調べたところ、静岡銀行812万円、七十七銀行(宮城)787万円、千葉銀行771万円だった。これら地方銀行を代表する大手の平均年収のダウンが、全体の動向を象徴しているといっていいだろう。

 任天堂や日本電産、京セラ、村田製作所など地元の有力企業の株式を大量に所有する京都銀行の場合、所有する株式の時価評価額は約9000億円だった。それに対して取得原価は1700億円弱。つまり、7000億円超の含み益(18年3月末時点)を抱えるが、それでも人件費総額は横バイないし微増での推移である。

電力会社と地銀の平均年収を
比較してみると…

 地元で安定的した就職先として人気が高い企業として、地銀のほかに電力会社、地方テレビ局・新聞社が挙げられる。「電力会社VS銀行」も確認しておこう。

 沖縄の3行(沖縄銀行、琉球銀行、沖縄海邦銀行)の平均年収は、沖縄電力(750万円台で推移)に比べ200万円前後から250万円ほど下回っているのが現実だ。

 宮城県が拠点の七十七銀行の場合、15年度745万円は東北電力(733万円)を上回っていたが、17年度は697万円となり東北電力(745万円)に差をつけられている。

 岩手銀行、山形銀行、秋田銀行、青森銀行、それに福島県の東邦銀行など東北6県の銀行で東北電力を上回る銀行はない。北陸地方や中国地方も同じ状況である。

 興味深いのは九州だ。九州電力は「15年度597万円、16年度757万円、17年度762万円」という推移である。15年度は福岡銀行、十八銀行、大分銀行、宮崎銀行、佐賀銀行を下回っていたが、16年度、17年度は九州地区の銀行を再逆転している。15年度は賞与の支給がなかったが、原発再稼働や石油価格の下落に伴い、業績が黒字に転換、賞与が復活したためだ。

 電力会社と地方銀行では、平均年収は電力会社が上回っている、と見ていいだろう。