iPhone売上減の一方、サブスクは堅調
アップルは大きな転換期に入った

 販売台数の発表をやめたiPhoneは頭打ち感が出てきている中、アップルウォッチやAirPodsなどが含まれる「ウェアラブル、ホームおよびアクセサリー部門」の売上高は約51億ドルと、前年同期比30%の伸びを見せる堅調さで、注目を集めた。

 また、Apple MusicやApp Storeなどの「サービス部門」の売上高は約115億ドルで、前年同期比16%の成長となり、売上全体の約20%を占めている。各種デジタルサブスクリプションの契約者数が増え、1月~3月期のサービス収入は16%増の114億5000万ドルとなり、市場予想を上回った。

 現在、アップルが大きな転換期を迎えていることは明らかだ。iPhoneの一本足打法から脱却し、アップルウォッチ、App Store、Apple Musicなど複数の事業が支える構造へと転換しつつある。

 iPhoneは既にブルーオーシャンからレッドオーシャンに入り、エンドレスのチキンレース状態だ。いつまでiPhoneを延命できるか?その間にポストiPhoneを生み出せるか。ティム・クックがジョブズからCEOを引き継いでもう8年がたつ。ポストアップルの本命と目されるアップルウォッチの売上高を単独で発表できる日がいつになるのか、楽しみにしている人は多い。

 さて問題の中国圏では、ファーウェイなど中国企業製スマホが伸びる中、アップルの売り上げは約102億ドルで、前年同期比22%と大きく落ち込んだ。ただ、落ち込み幅は18年10月~12月期の27%減に比べると5ポイントの改善を示した。

 これは、中国政府が景気減速への対策として付加価値税を16%から13%に引き下げたことで、iPhoneやiPadなど製品価格が最大6%引き下げられた影響が大きい。また、古い端末の買い取りサービスを拡充したことも一定の歯止めとなったようだが、予断を許さない綱渡り状態だ。

米中貿易戦争のとばっちり
対中関税25%で起こりうる2つのシナリオ

 以前の記事「天才ジョブズを超えるか?ティム・クックの知られざる経営手腕」の中で、暴君ジョブズに長年仕えてきたティム・クックは、暴君との付き合い方を心得ていると述べた。トランプ大統領の「米国内にアップル工場を造れ」というムチャな圧力に反論せず、かといって工場建設を始めるわけでもなく、米中貿易戦争の行方を見定めようとしていたクックCEOだが、その足元が大きく揺らぐ事件が5月5日に起きた。