震災から半年たった昨年の9月、当サイトの連載「半年先の景気を読む」第83回で「人気のタワーマンションも二極化が進む」と書いた。拙稿は、掲載されると、多くの読者の方にご覧いただいたようだ。感謝するとともにタワーマンションに対する関心の高さがうかがえた。
あれから9ヵ月、震災からは1年3ヶ月が経った。再びタワーマンション、特に湾岸エリアの物件について、買いどきなのかを考えてみたい。
意外にも販売好調な
湾岸タワーマンション
2000年以降震災前まで、横浜なども含む東京湾岸エリアでは次々と高層マンションが建設され、かなりの人気を博してきた。もちろん超人気で即日完売といった物件もあれば、値段設定や間取りなどがイマイチで、売れ残りが出て販売に苦戦するといった物件もあったが、概ね人気があった。
ところが東日本大震災が発生し、津波だけでなく液状化問題、交通網寸断によって孤立化するなどのイメージから、湾岸エリアのタワーマンションは敬遠されると、業界内外でささやかれた。そのため、ディベロッパー各社は、販売時期をずらして顧客の動向を見たり、販売予定価格を下げたりするなど、苦慮していたようだ。
その頃に書いたのが冒頭の連載原稿(「半年先の景気を読む」第83回)で、筆者は、「湾岸ではないタワーマンションの人気は衰えるとは思えない。湾岸エリアでも、駅近くなど利便性のよい物件は震災の影響はないと思う」と、多くの業界関係者が予想していたものとは反対の予想をした。
さて震災後、実際にタワーマンションの人気はどうだっただろうか。
2011年が終わりを迎える頃から、次第に販売時期をずらして様子を見ていた物件の新規販売が再開された。蓋を開けてみると、駅近くの物件やブランドイメージの高い物件を中心に、落ち込むどころか販売はおおむね好調のようだ。
今回の連載最後にある動画で紹介する「The Wangan Tower」 は、震災の少し前から販売している物件で、まさに駅近物件(りんかい線東雲駅徒歩3分)であり、販売好調の物件だ。