ただ公平に言うと、提供できる情報量が極端に少ないのは、全て百度のせいではない。百度の評判を悪くした原因は、むしろ金さえ払えばその要望に沿って検索結果に出やすいようになるという、そのビジネスモデルにある。百度側はそのビジネスモデルを「オンライン営業サービス」と呼んでいる。

百度に広告を出している
病院に誘導されてしまう

 たとえば、病気にかかった患者はどの病院がいいかを百度で調べたら、広告料を百度に払った病院に誘導されてしまう。しかも、こうした病院は往々にして資格にも医療技術にも問題が多い。余談だが、この種の病院を経営するのは福建省蒲田市東庄鎮出身者が多いと言われる。そのため、この種の民営医療機関あるいは同系列が経営を請け負う医療機関のことを、いつの間にか「蒲田系」と呼ぶようになった。

 百度の検索結果を信じて、こうした病院で治療を受けた患者は法外な支払いを求められたばかりではなく、医療事故に遭遇し、中には命まで落としたという事件も起きている。

 百度の財務諸表によると、2017年の広告収入は731億元(約1兆2140億円)、総売上高の86%を占めている。2018年の収入は1000億(約1兆6608億円)の大台を初めて突破し、そのうちオンライン営業サービス収入は819.1億元(約1兆3604億円)である。このデータから見る限り、ビジネス上の課題を指摘されても、百度は相変わらず、いわゆる「オンライン営業サービス」に頼っている。中国のインターネット会社の中で評判が悪い会社は結構あるが、実は百度ほど悪評に塗れたケースは珍しいのである。

 ところで、中国の技術分野の最高研究機関として評価される中国工程院は、4月30日、2019年における同院の院士の増員候補者名簿を発表した。

 中国工程院の主席団の査定を経て、最終的に確定した候補者は531名となった。企業からの候補者が114名、王海峰氏、阿里巴巴(アリババ)の王堅氏、比亜迪(BYD)自動車の王伝福氏などと並んで、百度の李彦宏董事長も入っている。これは中国のSNSで大騒ぎになった。