運動会では、毎年新しいルールや問題点などを自分の頭で考えて、話し合い、最高の運動会を実行するために行動するというのが伝統となっています。

 そのため実行委員は、ルールの作成と審議、問題点の改善策などを議論して、高めていくために丸々1年かけて活動しています。

 学年旅行では、中学2年から旅行委員が中心となって旅行の行き先やプログラムを決め、旅行のガイドブックまで作り上げます。実際に生徒たちが作ったというガイドブックを見せてもらいましたが、中にはプロ顔負けのデザイン、内容のものもあり、感心しました。

 そして、旅行から帰ると旅先での体験でそれぞれの生徒が持った興味や関心について調べて書くという探究を通して「旅行文集」という形にまとめていきます。

 これらは、まさにひとつの探究の形と言えるでしょう。

受験に特化していないのに東大合格者数日本一の理由

 校長の柳沢先生が、中学1年生と保護者にいつも話していることがあるといいます。それは、「転ばぬ先に杖をつかせてしまうと成長しない」ということ。

 勉強で後(おく)れを取らないように、つまずかないように、と考えて親や塾が手とり足とりで指導するよりも、1回つまずいて転ばせて、それから、どうやって起き上がったらいいかを自分で考える経験をするのが生徒の成長に繫がるという考えです。

 柳沢先生の発言は、勉強でも進路でも、すべて生徒自身が考え、行動し、その結果は自分で責任を取る方が、結果的にはうまくいくと知っているからではないでしょうか。

 とはいえ、「本当に子どもの自主性だけに任せて大丈夫なの?」と心配する方もいらっしゃることでしょう。ですが、よく考えてみてください。開成は、生徒の自主性を重んじた自由な学校であるにもかかわらず、東大合格者数は全国1位なのです。柳沢先生のお話によれば、開成が受験にもっと本腰を入れたら200人も300人も合格してしまうのではないかということでした。それだけ「余力」があるのです。

 なぜなのでしょうか?