リーマンショックでもビクともしない
和歌山の「変わらない強さ」

豊原弘恵さん
豊原弘恵(とよはら・ひろえ)
古都里代表、有限会社イペリックス代表取締役。大阪府出身。大学卒業後、ヴードゥー教の研究のためドミニカ共和国に渡る。帰国後、商社勤務を経て貿易代行会社を起業し、従来にない提案型ワンストップサービスを提供。2017年から外部講師として和歌山大学の学生たちとの地域協働の取組をスタート。「和歌山といふぜいたく」をコンセプトに「古都里ブランド」を立ち上げ、旅館やホテルにはないおもてなしをモットーとするゲストハウスを、和歌山県と三重県で3軒運営している(撮影/河相裕之)

――築100年以上の重厚な古民家を活用したゲウトハウス「志高庵」(しこうあん)が、2018年にオープンし、海外からの観光客にも人気ですね。

豊原 日本の原風景を体験してもらえる場所だと思います。田舎ですが、LCCが多く発着する関西国際空港から車で1時間足らず。世界遺産の高野山にも近いんですよ。

――本業は貿易代行業と聞きましたが、どんな経緯でゲストハウスを始めたのですか。

豊原 最初にゲストハウスのヒントをくれたのは、私が会社を起こしたときに出資してくれたタイ人投資家です。彼が「日本の桃は、タイでは高級フルーツとしてとても人気がある」と教えてくれたので……。

――桃ですか?

豊原 桃です。そんなに人気があるなら、新しいビジネスとして桃をタイに輸出してみようかと思ったんです。でも、調べてみるとタイ向けの青果の輸出って規制が多くて参入が難しい。「それなら、桃を海外に運ぶより、人を日本に運んだ方が楽やん!」ということで(笑)、桃の産地にゲストハウスをつくることにしました。和歌山はおいしい桃がとれるんですよ。

――もともと和歌山に縁があったんですか。

豊原 父が和歌山出身です。ですから小さい頃から盆・正月には訪れていました。でも当時からすごく寂れていて、子どもながらに「和歌山はもう発展しそうもないな」と思っていたんです。ところが、2008年のリーマンショックで日本経済が一気に落ち込んだとき、見方がガラリと変わりました。そんなときでも、和歌山は何ひとつ変わらなかったからです。