とはいえ、人間は本能的に安定を好む生き物です。会社を経営していて感じることですが、従来のやり方を変えようとすると、「ずっとやっているやり方だから続けましょう」「変えるまでの手間、定着させるまでの期間はどうするんですか?」など絶対に社員から反発があります。100人いたら100人が反対するわけではなく、一部の人が強く抵抗してきます。こちらが「ここでシステムを変え、仕事のやり方を変えたら、明らかに作業効率が良くなる。将来のために変わろう」と説明しても、なかなか受け止めてくれません。彼らの中には、新しい考えを受け入れる恐怖があり、変化への単純な拒否反応があります。だから、経営者の説得に対して反発し、最終的に「とにかく嫌だ」という何の理由もない、感情的な拒否反応を見せてしまうのです。

 これは人間の本能の1つですから、その気持ちは私にもわかります。しかし、今のような変化の激しい時代には、変われない人、変えられない人、変わることを恐れる人ほど、危うい安定の中で生きることになります。もし、あなたの中に「変化したくない自分」がいるなら、まずはその事実を認めましょう。そして、変わらないことによる危険がどのようなものかを察知するアンテナを張ることです。

 変化に柔軟に対応できる人に年齢の差はありません。若い人でも変えられない人はいます。年齢を重ねるほどに柔軟さを発揮する人もいます。わたしはこれまでたくさんのビジネスパーソンと出会ってきましたが、変わることに慣れている人ほど成功しています。

 あなたは、50歳以降をどうのように生きていくのか。今までのやり方をずっとキープしていて、対応していけると思いますか?この先の人生をより充実したものにしたいと思うなら、まずは「変化したくない自分」から訣別する勇気を持ってください。

すでにAIに取って代わられている“意外な仕事”とは?

 なぜ50歳以降で変化に対応できる人の方がうまくいくのかというと、時代は流れ、テクノロジーは前にしか進まないからです。この先、あなたを取り巻く仕事のやり方は劇的に変わっていきます。例えば、日本経済新聞社はすでに2017年から、人工知能(AI)を使った記事作成を開始。上場企業が発表する決算データをもとに、売上や利益などの数字とその背景をまとめた速報記事のほとんどをAIが作成しています。しかも、人によるチェック、修正なしで配信までが完全に自動化されているのです。他にも朝日新聞社が高校野球の地方予選の記事作成にAIを導入するなど、あなたが普段目にしている記事の一部分はすでに新聞記者ではなく、AI記者によって書かれたものになっているかもしれません。