まず、Eさんにとって、譲れない支出(聖域)はカットしないか、カットする場合でも数%にとどめると決めること。聖域を守る分、他の支出項目は多めにカットして支出全体のバランスをとるようにしましょう。何割カットするのがよいのかはEさん次第ですが、完全リタイアする年齢を60歳とするか、65歳とするかで変わってくると考えてください。

支出4~5割カットができれば
90代まで老後資金は枯渇せず

 Eさんがリタイア後に希望する生活がイメージできる記載があればよいのですが、記載がないため65歳で完全リタイアするとします。

 ちなみに、筆者がいう「完全リタイア」とは、アルバイトなどを含め就労を一切行わずに、公的年金と保有する資産だけで生活していくことです。早期退職に興味があると記載がありましたが、仮に60歳でEさんが完全リタイアしたとすると、先の月間支出をベースにすれば、5年間で毎月の支出を5割以上削減する必要があり、かなり厳しいと考えたからです。

 Eさんは現在、1000万円の金融資産とDC(確定拠出年金)に1000万円を保有しており、そして将来的に得られる退職金3000万円を合わせれば合計5000万円になります。住宅ローンの有無の記載がありませんが、月間の支出額から住宅ローンを抱えていると考えるのが自然です。残高は推測できませんので、老後の準備という観点ではマイナスの資産(借金)を減らしておくことも立派な老後の準備とだけ述べておくことにしましょう。

 今後のライフイベントは、高校2年生の娘さんの教育費になります。高校の2年間弱、大学4年間の費用になりますが、高校の2年間弱は予備校へ通う資金等を含め150万円、大学は文系、理系の平均額450万円の合計600万円と仮定します。

 すると、教育費を除いた4400万円が老後の資金になります。仮に娘さんが、下宿をしたり、医学部や薬学部など6年間大学に通ったりするようなことがあれば、教育費の負担はこれよりも800万円前後増えると考えておくべきでしょう。

 ここでは、娘さんの教育費が600万円と仮定して、老後資金は4400万円を基準に回答を進めます。娘さんが大学卒業時にEさんは61歳です。再雇用となっていますから、年収は大幅に減少していることでしょう。仮に年収360万円、月収30万円とします。この時点で、毎月の支出が現在の4割減の42万円になっていたとすれば、月間の収支は12万円の赤字、1年間で144万円になります。

 60歳でこの状態ですから、完全リタイアの65歳までの5年間では720万円の赤字です。保有する4400万円から720万円を差し引くと、残りは3680万円となります。