「カルチノイド」は悪性の腫瘍の病気
放っておくと命の危険が…!

 事実、カルチノイドは、かつて通常の大腸がんよりも予後のいいおとなしい腫瘍だと考えられていました。ところが肝臓や肺などへの遠隔転移(遠くの臓器への転移)が起こることもあり、放っておけば命の危険すらある病気だということがわかってきたのです。とりわけ消化管にできるカルチノイドは、2005年から2010年の間に約1.8倍と、大幅に増えています。

 カルチノイドは悪性の腫瘍、つまりがんの一種であり、肺や気管支、胃、膵臓などさまざまな臓器で見られます。消化管の中では特に直腸に多いのが日本人の特徴です。

 通常の大腸がんは、腸管粘膜の表面にある上皮細胞から発生します。一方、カルチノイドはもっと深い位置にある粘膜筋板、あるいは粘膜下層にある「神経内分泌細胞」という細胞が腫瘍化したものです。

 カルチノイドは、通常の大腸がんと同様に、初期の段階ではほとんど自覚症状がないため、内視鏡検査で偶然発見されることが少なくありません。初期の段階で切除すれば完治できる可能性が高いのも、大腸がんと同じです。

「カルチノイド」と診断された時
医師が指摘する3つのチェックポイント

 さて、医師が「カルチノイド」と診断する時、どこをチェックしているのでしょうか。医師が指摘する重要なチェックポイントは以下の3つです。

(1)腫瘍の増殖スピードが速いかどうか

 腫瘍細胞がどれだけ増えるのか、腫瘍細胞の増える(増殖)スピードが速いかどうかを調べるために、「Ki-67指数」を使います。腫瘍組織を免疫染色という特別な染色を使って、増殖している腫瘍細胞の割合を調べるもので、これで増殖スピードが判断できます。カルチノイドの悪性の程度は、WHO(世界保健機関)基準により3つ(「Ki-67指数」が2%以下ならグレード1、3~20%はグレード2、20%より大きければグレード3)に分けられます。グレードの数が大きいほど細胞の増殖スピードが速いことを意味します。

 特にグレード3の神経内分泌がん(NEC)は非常に腫瘍の増殖のスピードが速く、現段階では有効な治療法が確立していません

 幸いなことに、私の場合Ki-67指数は1%で、悪性度が低いものでした。