イライラ解消の最善策は
自分の考え方を変えること

 これらのケースを通じて効果的な対策の1つは、相手に過度な期待をしないこと。こう話すと、「せかいさんは、ずいぶん人嫌いなのだな…」と思われたかもしれません。でも、そういうわけではありません。人に期待しないからこそ、人を嫌いにならずに済むこともあるのです。

 というのも、「人そのもの」と「能力」をきちんと分けて考えないと、「人を嫌いになりたくないから、皆を良い人だと思いたいから、自分が期待している能力を皆が持っていてほしい」と、無意識に期待をしてしまうからです。そのような考えを持つ人は良いリーダーとはいえません。

 私の場合、さまざまな能力を持つまかないさんたちと接していくうちに、いつしか「生きていたらいい。『まかない』が終わって、五体満足で未来食堂のドアをくぐって帰ってくれたらそれでいい」と思うようになりました。

 ここで印象的な例を1つ、お話ししましょう。あるうどん屋を営む方と話をした時のことです。

 その方は「先日まで、店頭に『ご自由にどうぞ』のPOPとともに、売れ残りのうどん玉を無料で置いていたんです。もったいないし、お客様が喜ぶだろうと思って。でも、それだけを目当てにする人が出てきて、このサービスはやめました」とおっしゃり、「そんな人がいるなんて信じられない。昔は良い時代だったのに…」とずいぶん怒っていました。

 私から見れば、無料品があれば人がそれを持ち帰るのは当然だし、お店にお金を落とさない人も当然出てきます。ですから、そんな高い道徳心が必要な仕組みを作って相手に相応の道徳心を求めるというのは、上手くいかなくなるのは無理もありません。その方のお店では、結局、飲食されたお客様だけに、サービスでうどん玉を差し上げることにしたそうです。

 仮に、人への気持ちを0から10で表わすとしましょう。その方はもともと人が10好きで、10信じていました。ですが、自分の期待が裏切られ、好きも信頼も2程度になり、怒りが8に変わったのです。

 一方私は、人が7程度好きですが、元から1くらいしか信じていないので、何かを裏切られるということもなく、7好きをキープしています。

 人に期待することの一番の問題点は、この例のように、無駄に8の怒りを背負い込むことです。私の目から見ると、良い人ほど、相手に良い人であることを期待しているように思います。「他者を受け入れること」と「相手に期待しないこと」は、私にとって両輪です。どちらが欠けても上手く回りません。

 さてここまで、2つの視点から「できない人」への対応についてお話しをしてきましたが、最後に効果的な方法をお伝えします。それが3つ目の「できない人を仕組みでサポートする」です。