社員1人当たり損益計算書の作り方

 そもそも決算書は会社全体の活動結果を表しているので、相当大きな数字であることが多いのです。それを身近な数字に置き換えることによって、経営状況そのものがより身近なものに見えてきます。

 1人当たり損益計算書を作るには、損益計算書のすべての科目の数字を、単純に全社員数で割ってみます。

 ちなみに、トヨタ自動車の2011年3月期の連結ベース(グループ会社全体の連結決算書)の売上高、営業利益、当期純利益(同社は米国基準で決算書を作成しているので、経常利益は存在しません)は、それぞれ18兆9936億円、4682億円、4081億円と莫大な数字です。

 これらを連結会社全体の従業員数(平均臨時従業員数を含む)38万4112人で割ってみると、売上高4940万円、営業利益120万円、当期純利益110万円となります。

 年俸500万円の人であれば、売上高は9.88倍、営業利益0.24倍、当期純利益0.22倍となります。より身近な数字として感じられるというよりも、こんな利益しか出ていないの?大丈夫かな?と思われるかもしれません。

 財政状態は良好なものの、ここ数年は若者の車離れや円高が進んだためか減収傾向にあり、収益性・成長性は決して良いものではありません。大企業も悩んでいます。