次に、1人当たり年平均人件費はそれぞれ、590万2000円、624万6000円、422万2000円で、売上高を人件費合計で割った「給与の何倍稼ぐか」の指標は、2.0倍、8.4倍、3.7倍となります。違いに驚かされます。

 ただしメガネトップは、従業員のうち約半数の1670人が臨時従業員(1日8時間換算した年間雇用平均人員)なので、平均人件費を算出するときには多少人数を割り引いて計算する必要があります。試しに臨時従業員数を3割減として計算すると、495万1000円となりました。ほぼ500万円です。

 メガネトップの1人当たり損益計算書を見ると、1人ひとりが年間1560万円以上売らないと利益が5%残らないことを示しています。これを12で割って1ヵ月に直すと130万円、さらにこれを22で割って1日当たりにすると約6万円になります。

 従業員数には製造工場、管理部門、物流など営業店舗以外の人数も含まれているので、営業店舗の担当者なら1日最低7〜8万円程度売らないといけないでしょう。顧客の平均単価3〜4万円なら平日に1人、土日に3〜4人ずつ売れればクリアします。

 実際のところはまったく分かりませんが、メガネの平均単価がもっと低ければ、クリアするのは結構大変な数字です。

(本稿は『強い会社をつくる会計の教科書』安本隆晴著からの抜粋です)
 


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