それでもガイドラインにしたがう医師にかかれば「LDLコレステロールが140を超えたら即、薬」です。ここでも、やはり「主体的な患者」を意識していただきたいと思います。

LDLコレステロールは
薬を使ってまで下げなくてもいい

 生活習慣病においては、「トータルリスク」で考えるという視点が欠かせません。

 すでに肥満や脂質異常症がかなり進んでいるとか、遺伝的に体内でコレステロールが合成されやすい(家族性高脂血症)といった「マルチリスク」を抱えている人や、心筋梗塞などを患ったことがある人は、食べ物から取り入れるコレステロールすらも危険です。生活習慣の見直しと薬剤療法が必要でしょう。

 しかし、こうしたリスクがなければ、ひとまずLDLコレステロールは、薬を使ってまで下げなくてもいいと考えてかまいません。

 私も、高LDLコレステロール血症で、ほかにリスクがない患者さんには、薬という選択肢も示しつつ、食事と生活の指導に重きをおきます。

 肥満が見られる患者さんには薬を処方し、「これをやめるには、生活習慣を改善することです」とお伝えすることもあります。

 毎日、「嫌だなあ」と思いながら薬を飲んでいると、「これをやめるには、やせればいいんだ」という具合に、生活習慣を改善するモチベーションにつながるからです。

 また、薬の代わりに、LDLコレステロールをゆるやかに下げる効果のあるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)の製剤をすすめることもあります。

 このように選択肢はいくつかありますが、とにかく、LDLコレステロール値に、いちいち神経質になる必要はありません。

 数値的に引っかかっているのがLDLコレステロール値だけならば、ほかのリスクを増やさないほうに意識を向けること。とくに肥満と高中性脂肪血症の予防と改善のために、生活習慣をコントロールすることが第一と考えてください。