会社の枠を飛び出し、人々が悩む課題にアドバイス

『奇跡の会社』の出版をきっかけに、あなたの活動は広がったのですね。

私はいま、講演だけでなく、直接アドバイスをするなど、スチューデント・メイドで学んだことをシェアし、そのことを通して世の中をよくする活動に力を入れています。私はいまもスチューデント・メイドのCEOですが、対外活動が中心となってきて、社内のことはハイレベルなことに絞っています。

トイレ掃除でやる気満々の職場をつくるのは簡単ではないですよね。サービス業、特に楽しくない仕事と思われているような事業をしている会社からの依頼が多いです。辞める人も多いし、みな頭を悩ませています。

そして、ミレニアル世代の若者のエンゲージメントも大きな課題になっています。企業もですが学校からも相談が来ます。将来のリーダーを育てるには何を教えればいいか悩んでいます。

こうして、難しいと言われるミレニアル世代が楽しそうでない仕事に一生懸命になる企業文化のつくり方や、若者が成功するために必要なことをどう教えるか、などをアドバイスしています。

全米から声が掛かりますが、サイモンといっしょに欧州にも行ってきました。本を出しから、出番は三倍にはなりましたね。

私は講演やインタビューでも、自分が執筆しているようなストーリーを話すようになった。私を最大限よく見せるストーリーばかりではなかったが、実際に起きたことを話していると、それまでに感じたことのないエネルギーが湧いてきた。生きていると実感した。自分が失敗した経験を話しながら、自分に誇りを感じた。自分のすべてのストーリーをありのままに語ることで、解放されたのだ。
『離職率75%、低賃金の仕事なのに才能ある若者が殺到する 奇跡の会社』345ページ)