記者会見する自民党幹事長の二階俊博
4月22日に記者会見する自民党幹事長の二階俊博(右)。会見で二階は幹事長代行の萩生田光一(左)の消費増税をめぐる発言に苦言を呈した Photo:JIJI

 平成から令和の代替わりを挟んで永田町は長い政治休戦の中にあった。首相の安倍晋三が欧米6ヵ国の歴訪に旅立ったのは4月22日。その後、日本国憲法が施行されてから初めて平成の天皇陛下が退位(4月30日)され、翌日(5月1日)、皇太子さまが新天皇に即位された。この間は日本社会が経験したことがない超大型の10連休となった。

 何もかもが初めてという中で政治も約20日間にわたって機能を停止した。連休明けの政界はどんな状況、空気が支配しているのか。そこで重要なのは“発射台”の様子だ。連休前の状況を引き継ぐのか、それとも全く違う舞台の幕が上がるのか、予測不能といっていい。最大の関心事は言うまでもなく「衆参同日選挙」の行方だ。

 それに関しては連休前に二つの大きなトピックスがあった。一つは4月21日に投開票された衆院大阪12区と沖縄3区の統一補欠選挙での自民党の2敗。2012年に安倍が政権に復帰してから衆参を通じて補選で敗北したのは初めてのことだ。選挙の翌日、記者団の前で安倍は敗戦の弁を述べた。

「地域の声に耳を傾けながら、政策に生かしていくという原点に立ち返り、参議院選挙に必勝を期していきたい」

 いかにも紋切り型のコメントからは安倍の悔しさは伝わってこなかった。いずれも「負け戦」を覚悟していたというより、安倍に勝つ気が全くなかったからだ。

 自民党幹部はいずれの敗因についてもそれぞれの「特殊事情」を指摘した。しかし、これに対して反安倍の閣僚経験者は強く反発した。「特殊事情をつくり出したのは安倍政権だったということを忘れてもらっては困る」。

増税めぐる萩生田発言に
苦言を呈した党幹事長

 確かに沖縄の米軍普天間飛行場の名護市への移設について安倍政権は、繰り返される選挙で示された民意を無視し続けた。これではいくら選挙をやっても同じだ。沖縄3区の補選では、ついに安倍をはじめ沖縄の米軍基地問題を担当する官房長官の菅義偉ら政権の幹部が街頭に立つことすらなかった。

 大阪12区についても、統一地方選前半戦の大阪府知事、市長のダブル選挙に圧勝した維新の会の勢いがそのまま補選に流れ込んだのは事実だろう。しかし、維新にその勢いを与えたのは安倍。地下水脈で維新の会とつながる太い連携があったことは否定できない。ダブル選で大敗した際、自民党幹事長の二階俊博が官邸にかみついた。

「党があって政府がある。党が真剣にやっている最中にサボタージュがあったとすれば、けしからんことだ」