情報の受発信がキッカケで新規事業が立ち上がることも

 ちなみに、「新規事業のプロ」である私が、感度を上げている分野は新規事業全般なのですが、そのなかでも、今まさに立ち上げている分野と、今後立ち上げようと決めている分野については、とくに感度を上げています。

 この「立ち上げようと決めている分野」ですが、じつは私は、常に、やってみたい新規事業がいくつもあり、それを「仕掛り在庫」として自分の中にストックしているのです。

 ですから、街を歩いているときに気になるフレーズが出てきて、それが「仕掛り在庫」にヒットするキーワードだったりすると、音が耳に飛び込んでくるのです。

 そして、「やるかやらないかは別にして、誰と誰と誰に連絡してみようかな?」と行動に移したりすることもあります。

 その結果、そうした行為の繰り返しのなかで、まだ形になっていない仕掛り在庫が、仕掛り在庫でなくなる瞬間、つまり新たな事業が立ち上がる瞬間が、情報の受発信がキッカケで起きたりするのです。

 こうした情報の取り扱いと行動の差が、「その分野の仕事のプロ」と「その分野の仕事情報集めのプロ」の差だと思います。

 【12歩目】 「仕事のプロ」は、仕事の成果に直結する情報を発信する。

守屋 実(もりや・みのる)
1969年生まれ。明治学院大学卒。1992年にミスミ(現ミスミグループ本社)に入社後、新市場開発室で新規事業の開発に従事。メディカル、フード、オフィスの3分野への参入を提案後、自らは、メディカル事業の立上げに従事。2002年に新規事業の専門会社、エムアウトをミスミ創業オーナーの田口弘氏とともに創業、複数の事業の立上げおよび売却を実施。2010年に守屋実事務所を設立。設立前および設立間もないベンチャーを主な対象に、新規事業創出の専門家として活動。自ら投資を実行、役員に就任、事業責任を負うスタイルを基本とする。2018年4月に介護業界に特化したマッチングプラットホームのブティックスを、5月に印刷・物流・広告のシェアリングプラットホームのラクスルを2社連続で上場に導く。