気の抜けたビールのような野党側が提出した内閣不信任決議案があっさり否決され通常国会は、延長もなく淡々と閉幕した。その直後の日本で初めて開催された主要20カ国・地域(G20)首脳会議を経て一気に参院選に向けて走りだした。公示は7月4日、投開票日は7月21日の短期決戦だ。
参院選は衆院選のように政権選択選挙とは違う「中間選挙」と位置付けられる。おそらく首相の安倍晋三の進退に関わるようなことはよほどの異変がない限り起きる可能性は低い。そこで政界の関心は早くも次の衆院選はいつなのかに向かう。それは大ざっぱに三つの時期が考えられる。
「年内、来年、再来年」──。
まず、再来年の2021年は安倍の自民党総裁としての任期3年が満了を迎える年だ。さらに衆院議員としての任期4年が10月に迫る。どちらにしても安倍がやるとなれば事実上の任期満了解散になる。安倍も6月19日の党首討論で「私が解散する可能性は21年9月までになる」と語っている。
過去にも元首相の中曽根康弘は1986年秋の総裁任期満了の数カ月前に衆参同日選挙に持ち込んだ。いわゆる「寝たふり死んだふり解散」が今も政界の語り草になっている。結果は自民党の圧勝。選挙後に自民党幹事長に就任した竹下登(後の首相)が党内各派閥の了解を取り付けて中曽根の総裁任期を1年間延ばす「ボーナス」をプレゼントした。