6月12日、イランを訪問し、テヘランでの歓迎式典で大統領のロウハニ(左)と握手する首相の安倍晋三
6月12日、イランを訪問し、テヘランでの歓迎式典で大統領のロウハニ(左)と握手する首相の安倍晋三。安倍のイラン訪問は予期せぬ"化学反応"を誘発してしまった Photo:Avalon=時事通信フォト

 日本で初めて大阪で開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議(28~29日)を目前にした16日早朝、大阪府吹田市で交番襲撃事件が発生した。襲われた警察官は重傷を負った上に実弾5発が入った拳銃を奪われ、政府は強い衝撃を受けた。政権幹部も「場所もタイミングも最悪」と声を落とした。大阪府警による異例の画像公開で容疑者のスピード逮捕に至ったが、史上最大の警備態勢を敷いている最中の事件に政府のショックは大きい。

 一難去ってまた一難。18日深夜には新潟県村上市で震度6強を観測した強い地震が発生した。大きな被害はなかったものの、首相の安倍晋三は首相官邸に姿を現し陣頭指揮を執った。思い起こせば12年前、2007年7月、安倍は首相として参院選の最中に新潟県沖を震源とする中越沖地震に遭遇し、参院選で惨敗した苦い経験がある。被害規模によってはG20の開催に影響が出たかもしれない。

 「安倍外交」にとって一つの集大成といえるのがG20だろう。大阪に集結する顔触れは世界を動かすトップリーダーばかり。米大統領のトランプ、ロシア大統領のプーチン、中国国家主席の習近平、韓国大統領の文在寅、フランス大統領のマクロン……。それを仕切るのが安倍だ。米中貿易戦争、不協和音が続く米ロ関係などこじれ切った国際情勢の中で議長としての外交手腕がこれほど問われる場面はない。戦後の日本としても“未体験ゾーン”といっていい。