かつて「一人っ子政策」で、共産党幹部たちが目を光らせていた時代は、「第二子を妊娠していないか」と厳しい監視・取り締まりをした組織でもある。近年は、居民委員会に就職する高学歴の若者も増えてきたが、多くは世話好きの中年女性である。

 今やごみ分別問題は、上海市民にとって、身近で「最大の関心事」となっている。

 そもそも「生ごみ」が多いのは、中国の食文化に背景がある。

 中国人は、骨つきの肉や魚が大好物。日本では「ごみ」とされる、あるいはだし用の豚の背骨、鳥の足、魚のあらなどは、ほかの部位より高く売られている。骨についている部位は「動く肉」で、「特段においしい」とされる。食卓上はいつも食べ物の殻や骨で山盛りとなっている。

 レストランでは、取り皿を「骨盆」と呼ぶほどだ。夏になると、スイカの皮がごみ捨て場に小山のように積もっているのが、おなじみの光景だ。これら生ごみは、見た目が悪いだけでなく、周囲に異臭を漂わせる。

ごみ分別は
大きく4種類

 こうした事情もあり、「ごみ分別」自体は上海市民には歓迎されている。ただし、その「分け方」に混乱しているのだ。

 これまで普通の「家庭ごみ」といえば、何もかも1つの袋に投げ込んで、365日24時間いつでも捨てることができた。多くの高層マンションの場合、各階の廊下にダストシュートがあり、直接1階まで投げ込むことができる。これらは今後一切できなくなり、午前と夕方それぞれ1時間内に制限されている。

 今回のごみ分別は大きく4種類に分けられている。それは以下の通り。

(1)「可回収物」(紙類、プラスチック、ガラス、金属、衣類など)
(2)「有害ごみ」(電池、蛍光灯、薬など)、
(3)「湿ごみ(生ごみ)」(食品、植物など)
(4)「乾ごみ(可燃ごみ、以上3種類以外のごみ)」

 各種類にさらに細かい分類がある。特に「湿ごみ」と「乾ごみ」は、必ずしも湿っているか、乾いているかで分けるのではなく、腐りやすいものは「湿ごみ」に分類されている。しかし、豚骨のような大きい骨や、固い魚介類の殻、固い果実の皮(例:クルミなど)は「乾ごみ」となる。