両社の合併交渉を報じた一部報道について、さくら、みらいともに「本投資法人が公表したものではありません」としながらも、「友好的に合併を行うことが可能かの実現可能性について誠実に協議を行っています」と協議については認めている。

 みらいは、三井物産グループと、中国の大手投資会社である復星集団傘下のイデラキャピタルマネジメントとの共同出資会社が運用する上場REITだ。

 資産規模は約1500億円と、約1100億円のスターアジアよりも大きく、約600億円規模のさくらとみらいが合併すると2000億円を超える。

「REITでは、資産規模が大きいほど投資家の資金は流入しやすくなるため、さくらとしては合併のメリットを訴えやすい。しかも、三井物産は不動産開発も手掛けており、物件の取得面でも有利だという点もスターアジア案より優れていると訴えることができる」

 不動産投資ファンドの関係者は、さくら側の思惑をこのように見ている。

 さらにこの関係者は、「今回の騒動はREIT再編のきっかけになるかもしれない」と指摘する。

 というのも、ここのところ不動産価格は上昇を続けており、どのREITも高い利回りの物件取得に苦労している。現にさくらも、上場以来、新しく取得した物件は1件だけだ。

物件取得できない
中小再編のきっかけか

「不動産デベロッパーがスポンサーのREITであれば、開発物件や賃貸物件を供給してもらうことができる。だが、そうでない独立系のREITは、物件が取得できず、成長が頭打ちとなっている」(不動産ファンド関係者)

 そうしたREITは少なくない。今回、最初に合併を提案したスターアジアも同様だ。

「一部には、合併提案を受けた段階で、さくら側にはREIT業界の再編を仕掛けようとの思惑があったともいわれている。もしかしたらこれをきっかけに、物件取得に苦労する中小REITの再編が起きる可能性も否定できない」(別の不動産関係者)といった声も上がっている。

 さくらの逆提案、そしてホワイトナイトの登場により、「プロキシーファイト」の号砲が鳴った。両陣営ともに全国の投資主の元に飛び回って説得をしているという。結果は8月末にも明らかになる。