実際、政府が正式に消費増税を決めた6月21日の閣議の少し前から、テレビでは軽減税率適用をアピールしたような商品のCMが出始めた。これから、消費増税前に買ったほうがいいといったようなCMも出てくるだろう。

 そうなると、国民の間で増税に対する関心がいやがうえでも強まる。

 実際、選挙の公示の約4週間前にNHKが実施した世論調査では、内閣支持率は前回調査より6ポイント減少し42%、自民党支持率は5.1ポイント低下し31.6%になった。

 公示後2週目の同じ調査では、内閣支持率は45%、自民党支持率は33.4%とやや持ち直している。

「自民堅調」の予測どうなるか
野党はダブルスタンダード

 筆者は、数量分析を専門としているので、経済のみならず、外交軍事から感染症流行まで幅広く分析対象としているが、選挙も例外ではない。いわゆる選挙予測である。

 筆者のやり方は、いわゆる政治評論家がするようなものとは別のアプローチでやる。それは、内閣支持率と自民党支持率から統計的に獲得議席数を予測するものだ。

 政界には「青木方程式」というものがある。これは、自民党の青木幹雄元参院議員会長の持論で「内閣支持率と政党支持率の合計が50%を切ったら、政権は終わり」というものだ。

 内閣支持率と政党支持率は、過去の国政選挙の自民党の議席獲得率ともかなり密接な関係があるので、筆者はそれを活用して、選挙予測に使うのだ。

 ちなみに、前述のNHKの2回の調査の前の調査結果から予測した自民党の議席数は50台の半ばだった。だが公示4週間前の調査をもとにしたものでは、40台の後半にまで落ち込んだ。

 直近の公示後2週目の調査をもとにしたものでは50議席程度である。

 これから消費増税問題がさらに議論され、話題になると、獲得議席はどうなるのだろうか。マスコミ各社の調査では、自民は堅調であり、獲得議席は50台の半ばという予測が多いが、どうなるか。

 党首討論やその後の街頭演説などでは、野党は年金で攻めるが、いまいち迫力がない。

 マクロ経済スライドが年金を減らす仕組みだといい、一部の党は廃止を主張する。しかし、少子化と平均寿命の延びがある限り、年金給付を減らさなければ、基本的には保険料率の引き上げを選択せざるを得ない。

 これは年金が保険であり、保険数理から出てくる答えだ。