賞味期限は食べられなくなる
期限ではない

 皆さんは「賞味期限」と「消費期限」の違いをご存じだろうか。どちらも食品ロス発生の元凶になるのだが、誤った認識を持たれている方も少なくない。賞味期限は「食べられる期限」ではなく、あくまで「おいしく食べられる目安」という意味だ。一方、その期限を過ぎたら食べない方がいいのは「消費期限」であり、納豆や豆腐などあまり日持ちしないものについている(ちなみに、どちらも容器をあけない場合の話で、開封したら早めに食べきろう)。

 賞味期限は、菓子類やカップ麺、缶詰といった劣化にしにくいものに記載されている。これは1日、2日過ぎたからおいしく食べられないというほど神経質になるものではないのだが、それを気にする消費者も意外と多い。

 そのため、小売業界には「3分の1ルール」という商習慣が根付いている。これは、食品の流通過程において製造日から賞味期限までの期間を3等分し、最初の3分の1の期間までに納品、次の3分の1を小売店での販売期間と考えるもの。最後の3分の1の期間になると、値引き販売をしたり、賞味期限前でも返品や廃棄されることが多いという。

 これはメーカーや小売業者の間でも疑問視され、「賞味期限が6ヵ月の商品だと製造して2ヵ月経過すると、もう商品として取り扱ってくれない。全く問題がないのにもう販売することができない」という声がある半面、「消費者からすれば賞味期限が切れそうな商品は買いたくないとの心理があるため、古くなると売れ行きが鈍化し、最終的に売れ残って廃棄する事がある」という買い手側の意識も問われている(農林水産省委託事業・平成26年度 食品産業リサイクル状況等調査に関する報告書より抜粋)。

 提言の中には「賞味期限が切れたものに関しては消費期限までの猶予があるのだから、この猶予期間は消費者の自己責任という形で格安で販売するのも有効ではないか。海外では賞味期限切れの商品を販売する小売りも存在している」(前掲同報告書より抜粋)という声もある。“賞味期限間近”をあえてインセンティブにして安く売る。消費者にもメーカーにも販売店にもメリットがある「もったいない市場」がこうして生まれた。

カップ麺は50円以下
菓子は25円と格安!

 実際にどれだけ安く買えるのだろうか。そうした店の1つである「フードロス削減ショップeco eat 玉川店」(大阪市福島区)を覗いてみた。運営しているNPO法人は、規格外食品や販売期限・賞味期限の理由によって廃棄される食品をメーカーや卸・小売店等の事業者から仕入れ、食品や事業利益の一部を福祉施設や生活困窮者の支援にあてているという。

 買い物時にはまだ早い平日の午後3時頃だったが、かなり混んでいた。ディスカウントストアからドラッグストアまで安売り店を覗くのを楽しみにしている筆者の頭には、底値はある程度入っている。その視点でチェックしてみた。

 その日は菓子類やペットボトル飲料、油や調味料にカップ麺などが目についた。よく見るメーカー品もあれば、日本語表記がない輸入品もあった。日によって入ってくる商品が違うので、普通のスーパーのように「いつものこれ」という選び方はできない。