イラン当局は16日、同国とフランスの二重国籍を持つ学者を拘束したことを認めた。2015年の核合意の維持と中東の緊張緩和を目指すエマニュエル・マクロン仏大統領の取り組みに新たな課題が浮上した。拘束されたファリバ・アデルカーさんはパリ政治学院(シアンスポ)に所属するイラン専門家で、数冊の関連著書がある。拘束理由は不明。マクロン大統領は前日に、イラン政府にアデルカーさんとの連絡を要求していた。イラン学生通信(ISNA)によれば、イラン司法当局の報道官は「この事案の性質と関連の諸問題を踏まえると、まだ情報を提供する時期ではない」と述べた。フランスの大統領府と外務相の報道官はいずれもコメントを控えた。外務省報道官は15日、アデルカーさんの拘束や領事館との連絡の状況に関する情報をイラン側に要求したが、まだ「満足な回答」を得ていないとしていた。