これについて村越市長は一貫して「我々は、テスラをエネルギー企業として見ており、再生可能エネルギー政策としては妥当な判断」と主張する。

 だが、本連載でも過去に何度も取り上げているように、日産も当然、使用済み電池のリサイクル事業などを含めたEVを中核とするエネルギーマネジメント事業を行っている。

 市川市が言う、テスラのエネルギー事業とはどこまでのビジネスの範疇を指すのか?

 テスラ社とは現在、「諸案で協議中」という市の姿勢では、具体的な内容を提示することは難しいのだろう。

 仮にそうだとしても、テスラモデルSやモデルXはすでに世界市場で数十万台を売り上げた実績ある量産EVであり、テスラ独自の充電システム「スーパーチャージャー」を含めたEV周りの基本的なビジネスについて、市川市の事例と照らし合わせた大まかな試算を現時点で作成することは、市として本気でEV政策を進めるというのであれば、当然の手順だと思う。

 また、市長や副市長向け以外で市の公用車なども「将来的には随時、EVに変えていきたい」との発言もあり「(それらは)テスラに限らず、日系メーカーなどさまざまな選択肢が考えられる」ともいうのであれば、現行の公用車を段階的にEV転換する場合のロードマップや市の負担金の試算が提示されるべきだ。

現行の公用車、クラウンハイブリッド。市川市仮庁舎にて現行の公用車、クラウンハイブリッド。市川市仮庁舎にて Photo by K.M.

 さらにいえば、少なくとも7月17日の会見時に、テスラモデルXとクラウンハイブリッドについて、公用車の過去の運用実績に基づき、ガソリン代と電気代などランニングコスト(経費)の対比表をメディア向けに提示する必要があったと感じた。

日本でのEV普及は今後もスローペース
国の各種実証試験との「明確な連携」が必然

 今回の会見で村越市長が言うように、エネルギー循環型社会の実現に向けて「EVは1つのピース(一部)」であることは確かだ。