就活・採用が「うまくいった」としても…
入社後に陥る落とし穴「リアリティ・ショック」とは
インターネット時代の就職活動は、完全な情報戦です。口コミサイト・就活ナビの乱立、メディアの報道などにより、さまざまな情報が飛び交っています。 学生や企業はそれらの情報に取り囲まれ、就活・採用で良い結果を出そうとするあまり、「就活をうまくやること」「うまく採用すること」が目的になってしまいがちです。
そして、それらすべての努力を無にする最大の落とし穴があります。それが、就活、採用の「あと」に訪れる、「こんなはずじゃなかった」という入社後のイメージ・ギャップです。
経営・組織論では、組織参入後の現実と事前イメージとのギャップは、「リアリティ・ショック(Reality Shock)」と呼ばれ、研究が蓄積されてきました。リアリティ・ショックは、就活と採用の認識を根底から覆すものであり、日本中のありとあらゆる新卒採用で起きています。しかし、目の前の結果に追われる採用担当者や就活生の多くが、就活・採用後のイメージ・ギャップの現実を直視できていません。リアリティ・ショックとは、誰しも気が付いているのに手を打たない、「不都合な真実」なのです。
今回は、このリアリティ・ショックの実態と、それを防ぐ3つのポイントについて客観的データ(※)を元に紹介します。(※パーソル総合研究所・CAMP共同調査「就職活動と入社後の実態に関する定量調査」)
【図1】に示すように、報酬・昇進・仕事のやりがい・働きやすさなど、入社後に事前イメージとの何らかの違いを感じる新社会人は76.6%にも及びます。逆に言えば、入社後、スムーズにイメージ通り働いている社会人は4人に1人もいないということです。