年金の手取り額は
自分で増やすことができる!

 手取り額を増やす最大のコツは「控除(非課税枠)をフル活用すること」である。収入から「控除」を差し引いたのが、「所得」。税金(所得税・住民税)と、社会保険料(国民健康保険料・介護保険料)は、所得が多いと負担が増える。

 つまり年金の手取り額を増やすには、所得を減らすのが有効で、そのためには、「退職所得控除」と「公的年金等控除額」を使い残さないことが大切だ。

 控除の仕組みを解説する前に下の図を見てみよう。

「退職所得控除」とは退職一時金の非課税枠で、「公的年金等控除額」とは公的年金や企業年金、DC(確定拠出年金)の年金受け取りの収入に対する非課税枠である。

 公的年金等控除額は、60代前半では最低70万円、65歳以降は最低120万円に拡大する。

 65歳から年金生活になると、みなさん「120万円」の控除額はちゃんと使っているのだが、60代前半の控除額は使っていない人が多い。退職金についても、一時金ではなく年金受け取りを選択すると、退職所得控除を使い残してしまうケースもある。

非課税の枠である控除を使い残すのは、本当にもったいないこと。特に退職金を一時金で受け取る場合の課税方法は、さまざまな税金の計算方法のなかで、納税者にとってかなり有利な計算方法が採られているので、フル活用したい。

 多くの人は「節税」ネタが好き。退職所得控除を最大限に活用することは、退職金の節税のみならず、その後に受け取る年金の節税にもなり、手取り額アップにつながるのである。

退職金の受け取り方法は
「一時金」がおトク

 退職金を「一時金」か「年金」か、または2つの「組み合わせ」など、受け取り方法を選べる会社は少なくない。年金受け取りを選ぶと、企業年金などが年金原資を引き続き運用してくれるため、額面での受け取り総額は「年金」が多くなる。

 ところが手取りベースでみると、「一時金」のほうが有利になるケースが多いのだ。