「低脂肪は体にいい」は嘘、という新常識

 何度説明しても、なかなか理解してもらえないのが「太る原因は脂肪の摂りすぎではない」ということです。あなたを太らせるのは、脂肪ではなく、ご飯やパンに代表される糖質です。

 専門家も含め、いまだに「太るのはカロリーが高い食べ物のせいだ」という大嘘を信じ込んでいる人が多く、カロリーが高い脂肪を悪者視しています。

 ところが、その理論は大間違いなので、いくら脂肪を避けても全然やせません。

 それどころか、脂質不足によって健康を害している人もいます。低脂肪はちっとも体に良くないのです。

 いいかげんに、こうした間違った先入観から自由にならないといけません。

 実は、食事と健康の関係について、あなたの先入観を覆してくれるだろう大規模な研究がどんどん進んでいます。本書(『医者が教える食事術2 実践バイブル』)でも詳しく取り上げていますが、トップ・ジャーナルで驚くべき最新のデータが次々と報告されているのです。

 当然のことだから、研究によって細かな結果は違っているものの、総じて言えるのが「肉を食べたほうが長生きする」ということです。

 日本人を対象とした調査でも、肉を食べている人に心筋梗塞や脳卒中が少ないことがわかっています。

 以前は「脂質の多い肉を食べると脳卒中の危険も高まる」と考えられていたのですが、それはもはや埃をかぶったものとなりまいた。

 ただし、すべての人にすべての肉がいいというわけではありません。「牛肉を食べると大腸がんが増える」といった報告もあり、特に女性にその傾向が強いことがわかっています。

 そうした最新のデータを知り、自分を知り、賢くふるまうことが、ビジネスパーソンをはじめとする現代人にとって必須なのです。

 いつまでも同じところに立っていないで、どんどん変化していきましょう。