通勤時間が長いビジネスパーソンにとって、その時間帯をどう過ごすかは大きな問題だ。そこで、電車内での過ごし方など「通勤のこだわり」について取材してみた。(取材・文/フリーライター 武藤弘樹)
人の数だけ思いを乗せて
今日も通勤電車は走る
ビジネスパーソンにとって“通勤”の存在は大きな課題である。1日のうちの数十分~数時間が必ず通勤に割かれるし、週に5日も同じところを往復して、しかもそれが何年も続くのだからどうしたってマンネリ化することは避けられない。
しかも仕事・職場があまり好きでない人にとって出勤は「死出の旅」に等しい。「嫌だなあ、嫌だなあ」と念仏のように繰り返されるイド(本能的衝動)からのメッセージを、自我だか超自我だかで抑えつけ、あるいは奮い立たせて死地へと赴いていく。これが週5日繰り返される。もはや“○○地獄”と名付けていい立派な地獄であり、現実逃避でもなんでもいいので、マイナスをプラスに近付ける材料を、せめて通勤時間内に確保したいところである。
それぞれ事情がある中、ただ移動するだけの受け身な通勤は等しく苦行じみている。そこでビジネスパーソンは、各位これを打破すべく独自のこだわりを持って臨んでいるようである。おそらく多くの人が実は持っているであろう通勤のこだわり、その一角を紹介したい。
やりたいことに精が出る電車通勤
読書もエクササイズも自由自在
特に都市部で生活する人は電車での通勤が多かろう。混雑することで有名な路線では、駅員が乗客を外側から中に押し込む光景も見られるが、あの中でスシ詰めになっている人たちが皆、胸に各々のこだわりを秘めているかと思うと胸を熱くさせられるものがある。