咳の症状は日ごと強くなり、7日目から9日目の夜にピークとなります。この3日間が一番辛い時期。夜に咳で目が覚めてしまいます。体を起こすと、咳が出なくなるので、また横になって眠ろうとしますが、またすぐに咳で起きてしまいます。

 これをだいたい一晩に2回程度繰り返すことが多いようです。実際に、患者さんは睡眠はとれてはいるのですが、本人にしてみれば咳のわずらわしさから「昨夜は眠れなかった」という印象でしょう。

 まだこの状態では、医師に相談される方は多くありません。患者さんは10日目以降でも咳が残っていると不安を感じ、医師に相談するようになります。ですが、この咳は1ヵ月くらい時間がかかりますが、ゆっくりと自然に治っていくものです。

人それぞれ持つ「アレルギースイッチ」
スイッチオフには1ヵ月近い時間が必要

 前段で、アレルギー反応について触れましたが、ここで、炎症とアレルギー反応について少しお話しておきましょう。

 それぞれに疾患の特徴があります。アレルギー反応として有名な疾患は気管支喘息、蕁麻疹などのアレルギー性皮膚炎などです。咳喘息もアレルギー反応という意味では気管支喘息と同じなので、炎症とアレルギー反応の仲間です。

 これらの疾患のアレルギー反応の改善には月単位を要します。感冒などは3日で改善するのに、アレルギー反応は1ヵ月を要します。途中でタバコの煙を吸い込んだりして、再度アレルギー反応が悪化すると、回復にはそこからまた1ヵ月の期間が必要で、総計2ヵ月に及ぶこともあります。

 多くの人は、体の中に人それぞれの「アレルギー反応のスイッチ」を持っていて、外部からの刺激でそのスイッチが入ると、アレルギー反応の症状が出ます。たいていの場合、一度スイッチが入ると、切れるまでに1ヵ月間もの時間が必要だということです。

 さて、咳喘息の話に戻しましょう。

 1ヵ月以上の時間をかければ、自然と直る兆候があるとお話ししました。しかし、数日症状がでると咳を止めてほしいとクリニックに訪れる患者さんが多いのも事実。そこで、薬の話になります。

 薬で治療することもできます。もっともよく使用されるのは抗アレルギー薬です。これは副作用も少なく、気管支喘息やアレルギー性皮膚炎でよく使用されますが、場合によっては効果がでにくいこともあります。他には気道の炎症に対して、粘膜や粘液の状態を整える薬や、糖尿病を持病としていて炎症に伴う感染症が心配な方や気管支の弱い方向けにマクロライド系の抗生物質を処方することもあります。