同じ月に医療費が高額になった家族が複数いた場合、忘れずに申請したいが、高額療養費の限度額は70歳を境に変わるため、家族のなかに70歳未満と70歳以上が両方いると、世帯合算の計算方法も複雑になる。

 今回は、家族のなかに70歳未満と70歳以上の人が混在している山田さん一家のケースで、世帯合算の計算方法をみてみよう。

70歳未満と70歳以上の人が
混在している家庭で試算

 会社員の山田一郎さん(46歳)は、勤務先の健康保険に加入しており、妻の愛子さん(43歳・専業主婦)のほか、定年退職した父親の太郎さん(73歳・無職)と、母の花子さん(71歳・無職)が被扶養者として、同じ健康保険に加入している。

 一郎さんが虫垂炎(盲腸)で入院した同じ月に、愛子さんがケガをして通院。また、太郎さんも胸の苦しさを覚えて受診したところ、急性心筋梗塞と診断されて心臓カテーテル治療を受けた。花子さんは、高血圧症と診断されているほか、膝の痛みが続いているので、日常的に内科と整形外科を受診している。

●家族構成・年収・病気の内容
一郎さん(46歳・会社員・年収500万円):虫垂炎で入院
愛子さん(43歳・専業主婦):ケガをして整形外科に通院
太郎さん(73歳・無職・年金収入130万円):心筋梗塞で入院・手術
花子さん(71歳・無職・年金収入100万円):内科と整形外科に通院

 このように、山田家は1ヵ月の間に4人それぞれが医療機関を受診したため、健康保険適用前の医療費の総額は391万円になった。ただし、健康保険が適用されるので、実際に負担したのはこの一部だ。

 通常の自己負担割合は、70歳未満の一郎さんと愛子さんは3割。70歳以上の太郎さんと花子さんは1割だ。さらに、自己負担したお金が一定額を超えると高額療養費が適用される。

 1ヵ月あたりの高額療養費の限度額は、70歳未満で年収500万円の一郎さんは【8万100円+(医療費-26万7000円)×1%】。愛子さんも同額だ。

 70歳以上で所得が「一般」の太郎さんと花子さんは、通院が個人単位で1万8000円、入院が5万7600円。太郎さんと花子さんの夫婦ふたりの世帯の限度額も5万7600円になる。