高配当利回りの意味

 配当利回りは、株価の高低を判定する指標の中で代表的なものの一つだ。例えば1株当たりの配当が年間20円の株式が2銘柄あるとして、一方の株価が1000円なら配当利回りは2%、他方が500円なら配当利回りは4%となり、後者の方が「配当に対して株価が割安」だ。

 ただし、それでは前者の株式に投資するよりも、後者の株式に投資する方がもうかりやすいのかというと、そうともいえない。前者の株式の方が値上がり率が2%以上高いのであれば、前者の株式に投資する方が有利だ。

 基本的な態度としては、値上がり益(「キャピタルゲイン」と呼ぶ)と配当(「インカムゲイン」と呼ぶ)を合算して総合的な損益で投資について判断する必要がある。一方だけを重視する見方は不適切だ。

 配当利回りが高い会社は、稼いだ利益の多くを次のビジネスへの投資ではなく、配当に回していることが多い。高配当利回り銘柄の典型的なイメージは、成長が鈍化したが、利益が潤沢にある成熟企業だ。成長に結びつく投資機会を持っているなら、利益は投資に回したいだろうから、高配当利回り銘柄は「現在急激に成長している企業ではない」とは、一応いえる。

 かつて、ウィンドウズやその他の製品が売れて圧倒的な成長を誇っていたマイクロソフトが長い期間無配当で、成長が鈍化してから配当を払うようになった例が思い出される。同社は配当を払うようになってからしばらくの間、利益は潤沢だけれども成長力が乏しい「つまらない大型株」であった(その後、近年になっての同社の業績復活はやや例外的なケースだ)。配当は株式投資にあって、必ずしも魅力的な要素ではない。

 個々の銘柄がなぜ高配当利回りなのかについては、会社ごとにさまざまな理由があるし、企業の将来を見通すことは難しいが、「高配当利回り」であるという属性は、どちらかというとその銘柄が現在不人気である「不人気指標」としての側面を持つ。

 もっとも、現在不人気であることは、株式投資にとって悪いことではない。計測する期間によって差があるのだが、内外いずれの株式市場にあっても、高配当利回り銘柄はリスクの大きさの割にリターンが高いとされる投資パフォーマンスであることが多い。そこそこの投資収益が、平均的な銘柄よりも小さなリスクで実現するような銘柄が多いのだ。