経済成長の低迷続き、支持離れたマクリ現政権

 さらに、現政権の下で合意に至った過去のデフォルト債権が債務再編に追い込まれる可能性に加え、最悪の事態として再びデフォルト状態に追い込まれるとの懸念が高まった結果、足下の金融市場では通貨のみならず、株式、債券がすべて下落する「トリプル安」状態となっている。

 フェルナンデス元首相の得票率が予想以上にマクリ大統領を引き離した要因としては、昨年の経済成長率が前年比2.48%減と2年ぶりのマイナス成長に陥ったことに加え、今年1-3月の実質GDP成長率もマイナスが続くなど、同国経済が厳しい状況に直面していることが挙げられる。

 さらに、足下のインフレ率は50%を上回る高水準で推移するなど、家計部門のみならず企業部門を取り巻く状況も厳しさを増している。IMFとの支援合意に基づく、マクリ政権による緊縮政策に対する反発も大きく影響したとみられる。

 こうしたなか、予備選後にマクリ政権は大統領選での再選を果たすべく、所得税減税や社会福祉事業に対する助成金増額、ガソリン価格の90日間凍結、子供を養育する失業世帯への補助金支給、最低賃金引き上げなどの緊急経済対策を発表した。加えて、年内いっぱいを対象に食料品に対する消費税廃止を発表するなど、一転して「バラ撒き」色の強い政策に舵を切った。