事業開始時の会員は5000人弱だが、これを1年で1万人、3年で5万人(うち農家4万8500人、生産資材の販売事業者1500人)に増やす。

 ビジョンは壮大だ。SBTは生産資材の販売だけではなく、農家への融資や農業生産でのIT・ロボットの活用、農産物の販売支援など各分野の「農業ベンチャーのトップランナー」と連合を組み、SBTはその集合体の“ハブ”の役割を果たそうとしている。

 構想が実現すれば、農家の資金調達から農産物の販売までを支える押しも押されもせぬ「プラットフォーマー」となる。

 当然、ビジネスが拡大すると、全農をはじめとしたJAグループと競合するが、一部、地域の単位農協(JA)は「JAグループならグループ内の全農を利用すべし」という組織の論理にとらわれず、AGMIRUなどの利用を検討しているという。JAがサービスを利用すれば、SBT陣営と全農が競合することになり、農家の選択肢が広がる。

 そして、SBTがハブとなる農家支援連合のメンバーで、自らも農業流通の変革者になるべくのろしを上げているのが、農業ベンチャーのマイファームだ。8月から、オンライン卸売市場「ラクーザ」を正式にオープンした。

 従来の青果流通では原則、農産物は農家→JA→全農→卸→仲卸→スーパーなどと、とてつもなく長い経路をたどる。

 農産物が生産現場から消費者の手元に届く前に、生産現場の情報が流通の途中で寸断されてしまい、農産物の価値(おいしさ、安全・安心など)が消費者に伝わらないことが多々あった。

 ラクーザは中間流通を省き、農家とスーパーやレストランを直接つなぐことで、農家の努力を反映した「適正価格」の実現を目指す。

 利用するスーパーやレストランからすれば、農家のこだわりをウリにした個性的な商品を提供するためのツールになる。