痴漢問題解決のカギは
第三者にアリ

 前出の斉藤氏も、痴漢加害者心理の観点から、痴漢抑止バッジの効力に太鼓判を押す。

「痴漢加害者には『制服を着ているから大人に従順』『拒絶しないから相手は喜んでいる』など、痴漢独特の“認知の歪み”を持っています。これを私は『痴漢脳』と呼んでいます。この痴漢特有の認知体系は、生まれ持ったものではなく、痴漢を繰り返すことで強化される現実のねじれた捉え方です。このロジックで考えると、抑止バッジをつけた人からは『痴漢されたくないという主張』を読み取り、痴漢を未然に防ぐことができます」(前出・斉藤氏)

 また、斉藤氏は傍観者に働きかけるアイテムとして、痴漢抑止バッジは画期的なツールだと話す。車内にバッジをつけている人がいると、第三者の意識もバッジに向く傾向があるという。実際、利用者からは「抑止バッジをつけてから、近くに女性が立ってくれるようになった」という声も上がっている。

「被害者は声を上げることが難しい。痴漢抑止バッジのように第三者の意識を痴漢加害者に向けられれば、痴漢の抑止力につながります。これからの痴漢対策は未然に防ぐことや、傍観者を巻き込むことがポイントになっていくはずです。当事者と第三者に働きかける『痴漢抑止バッジ』は、ひとつの解決策を提示しているといえますね」(同)

 痴漢大国・日本の汚名を返上するカギは、電車に乗るすべての日本人を巻き込むことにありそうだ。