「糖質制限」は老化防止にも効果があるの?

 さて、話題はダイエットから少し離れる。

 牧田先生の一連の書籍で、糖質制限ともうひとつ大きなテーマとなっているのが、終末糖化産物(Advanced Glycation End Products)、略してAGEである。

 生きるためにはブドウ糖と酸素が必要だが、体内でそのふたつが結合して水と二酸化炭素、そしてエネルギーが生産されると同時に、老化に直結する「糖化」「酸化」も起きてしまう。

 酸化は、金属の錆でも有名だ。糖化というのはタンパク質や脂質がブドウ糖と結合して劣化することを指し、そのときにできるのがAGE。タチの悪い存在で、他のタンパク質や脂質にも悪影響を及ぼすのだとか。

 たとえば、皮膚ではシワやシミを作るし、血管も固く、切れやすくしてしまう。さらには、細胞に炎症を起こしてしまい、慢性化すればやはり身体によくない。

 AGEは身体で作られる以外に、食品にも含まれ、特に高温で調理したものに多いという。

 そう、私の大好きな、ウェルダンによく焼いたようなものについている焦げや、揚げ物などである。

 糖質制限ダイエットを始めたばかりの寒い頃に鍋の代わりによく作っていた蒸し野菜&蒸し鶏(もっとも、作り方が下手でいつも鍋の底の野菜が焦げていた)は揚げ物ほど高温にならないので牧田先生も推奨されている。

 また、自炊でサラダをつくるときに入れているツナ缶や、ほぼ毎日食べているサバの水煮缶も、加工食品ではあるがおすすめとなっている(サバの味噌煮缶や、イワシをしょうがで煮たやつの缶もおいしいのだが、砂糖を摂りたくない身でもあり、また、自分には甘すぎて、続かなかった)。

 なんとなくやっていたことと、牧田先生の主張との合致に、こちらが驚いてしまった。

 ただ、それらのよい習慣も、AGEの観点からは揚げ物好きという一点によって台無しである。

 連載中、AGEについて気にはなっていたのだが、血糖値や糖質制限とは違って、自分で成果を確かめることができない性質のものだ。

 血糖値は、今回の企画においてそのトレンドを数値やグラフとして見ることができる「フリースタイルリブレ」を使わせていただいていたし、糖質制限がダイエットに効いているかは体重計に載ればわかる。このふたつは成果を確かめて、一喜一憂することができた。しかし、AGE関係の改善はどうやって確かめればいいのか。

 AGEは取り上げ方が難しい、と二の足を踏んでいた私。そこらへんを牧田先生に伺ってみた。

 先生は少し困った顔で、「確かに、AGEについては、ご自分で確かめることが難しい。体重は目に見えてわかるし、健康維持のためには適正体重を目指すことの方が順位として最優先になります。適正体重であることは、それほど健康にとって重要なんです」と話を始められた。

 「だから、AGEについては、ダイエットに比べると、本を読んで、ご納得いただけたら実践する、というのでも構いません。ただし……」

 ただし、の後が怖いですね、先生。

 「老化は血管から来ますよ」

 なるほど。先に、AGEはタンパク質を変性させて、血管においては固くしたり切れやすくしたりする、と紹介した。それは、動脈硬化などの血管の問題に直結することになる。

 AGE関係の節制をしないということは、今その場で数値で確かめられない分、将来、一気に健康に問題がでてくることによって、その結果を思い知らされる可能性があるというわけだ。

 ダイエットが上首尾になり、思ってもみなかったことだが生きることがなかなか楽しくなってきた。今を生きるしかなかった自分にも楽しみが増え、これからも増えていくだろう。そんな見通しが立った今、今度は「長生きしたい」「あまり早くに老け込みたくはない」という思いが頭ももたげてきた。やろう、AGE対策。

 そんなわけで始めたAGE対策、そして、ダイエットの結果の最終報告に向け、次回、そろそろ話をまとめていくこととしたい。