技能実習生として、日本に来る中国人介護スタッフの多くは、経済発展が遅れている内陸部出身の若者である。内陸部の高卒や専門学校の若者はせっかく卒業しても、就職先がなかなか見つからないのが現状だ。都市生活者に比べ、十分な教育やマナーを受けていない人も多い。

 筆者の仕事上の知人が中国に赴き、介護技能実習生として来日する予定の生徒に対して研修を行っている。

「なぜ日本へ行きたいのですか?」との質問に、いつも漠然とした答えしか返ってこないという。その中で、「日本の化粧品、美容に興味があるから」「日本のアイドルが好き」「日本へ行けるから」などの答えもある。残念ながら「日本の介護を学びたい」という声が一度も聞かれなかったと話す。

 中国人の優れた介護人材を探して、日本に連れてきて、育成するのは相当大変なことなのだ。

中国人の若者は
介護ヘルパーには向かない?

 筆者の個人的見解もあるが、私は中国人の若者はあまり介護ヘルパーには向かないように思う。

 そもそも中国人の若者は日本人の同世代に比べて、ちょっと「自己中心」という印象がある。

 中国は一人っ子政策が長く続いたため、両親や祖父母に非常にかわいがられて育つ。このため、どうしても「甘さ」がある。高齢者のお世話はもとより、日常の家事もあまり経験がないために、家事全般についての常識に乏しい。よって、40~50代の女性に比べると、どうしても手際が悪くなる。

 正直なところ、大家族で生活する機会が多いフィリピン人の方がホスピタリティーやサービス精神の面でも介護ヘルパーとしての資質は優れていると思う。

 中国出身である筆者がここまで厳しく言うのは、あまりにひどい例を見聞きしているためだ。

 例えば、20代のスタッフを数人、採用したある介護施設で聞いた話だ。

 一定の研修期間を経て、若いスタッフらが現場に入った。その日からトラブルが連続した。ひどかった例では、ある女性スタッフが男性の入居者の入浴介助の最中、急に「ぎゃー」と叫んで風呂場から逃げ出してしまった。入浴時、男性の体を見るに耐えず、まして手で体を洗ってあげるのが耐えられなかったという。