検索のほかに、アマゾンにはなくてグーグルにあるものとして、動画プラットフォームのYouTube(ユーチューブ)と、モバイルOSのアンドロイドが挙げられます。先行者に対して競争で優位に立つには、これらグーグル独自の資産を最大限に活用すべきです。

 そこでグーグルでは、ハウツーコンテンツへの対応にすでに多くのコンテンツが充実しているユーチューブを取り込もうとしています。これは、時間軸に沿ってスプレッドシートに動画の目次を入れておくことで、目次ごとにハンズフリーで再生できるというもの。例えばレシピ動画であれば、自動で次の手順まで再生したところでストップすることができます。こうしたフォーマットを付加することで、コンテンツをより充実させることが可能になります。

 アンドロイド端末であるスマートフォンやタブレットについても、スマートディスプレイとほぼ同じようにコンテンツを表示・再生することができます。またネストハブ向けには簡単なゲームやアプリがつくれるのですが、これはアンドロイド端末でも同じように使うことができます。

 事業戦略として、先行するプレイヤーに追いつくには自分の得意分野に引き込むこと、ルールを変えることが有効です。グーグルは自分の持つ武器を最大限に活用しているといえます。

レンタカーなどのウェブ予約を
AIが代行してくれる「デュープレックス」

 グーグルI/Oで発表があったトピックスの中でもう1つ注目したいのが、顧客サービスツール「Duplex(デュープレックス)」のウェブ上での公開です。

 デュープレックスは2018年のI/Oですでに発表されていた構想で、レストランや美容院などの電話予約をAIがユーザーの代わりにしてくれるというもの。当初は構想だけのものかと思われていましたが、米国では一部の店舗を対象に、実験が行われ始めています。